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内定辞退を防ぐ方法とは?原因分析から実践施策まで一挙紹介【2026年最新】

「苦労して選考を進めた候補者から、内定辞退の連絡が入った」――採用担当者にとって、これほど落胆する瞬間はありません。2026年卒の内定辞退率は65.7%に達し、中途採用でも約11%が辞退するというデータがあります。売り手市場が続く現在、内定辞退を防ぐ方法を知らなければ、採用コストと時間が無駄になるばかりか、事業計画そのものに支障をきたします。

本記事では、新卒・中途それぞれの内定辞退が起きる原因を最新データで分析し、選考段階から内定後フォローまで一気通貫の防止策を解説します。さらに、上位記事では触れられていない「内定辞退コスト算出フレームワーク」や「辞退リスクスコアリング」といった独自手法も紹介します。この記事を読めば、自社に最適な内定辞退防止策を体系的に設計できるようになります。

確認したいポイント 結論 詳細
内定辞退率はどれくらい? 新卒65.7%・中途約11% 2026年卒データと業種別の差を解説
辞退される主な原因は? 志望度不足・条件不一致・他社競合の3大要因 新卒と中途で異なる辞退理由を分類
選考段階でできる対策は? 段階的な惹きつけと候補者体験の設計 面接・オファー面談の具体的手法を紹介
内定後のフォロー方法は? 定期接触・社員交流・入社前研修の3本柱 時期別のフォロー施策を一覧で提示
辞退コストはどう計算する? 1人あたり50万〜200万円が目安 算出フレームワークを独自に解説

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内定辞退率の現状|最新データから見る実態

新卒採用の内定辞退率は65%超

リクルート就職みらい研究所の調査によると、2026年卒の就職内定辞退率は2025年10月1日時点で65.7%に達しています。これは前年(2025年卒:63.8%)からさらに上昇した数値であり、学生1人あたりの平均内定取得数が2.64社と増加していることが背景にあります。

内定辞退率の推移を見ると、過去5年間で右肩上がりの傾向が続いています。

卒業年度 内定辞退率(卒業時点)
2022年卒 61.1%
2023年卒 65.8%
2024年卒 63.6%
2025年卒 63.8%
2026年卒 65.7%

企業規模別では、従業員5,000人以上の大企業で平均91.4人が辞退するというデータもあり、大企業ほど「多めに内定を出す」傾向が辞退率をさらに押し上げる構造的な問題となっています。

中途採用の内定辞退率は約11%

中途採用における内定辞退率は新卒と比べて低いものの、約11%が辞退しているとされています。中途採用の場合は1人あたりの採用コストが高額になるため、辞退による損失は新卒以上に深刻です。

特にエンジニアなどの専門職や管理職クラスの中途採用では、候補者が複数のオファーを同時に比較検討するケースが増えており、辞退リスクが高まっています。

業種別に見る内定辞退率の差

業種によっても辞退率には大きな差があります。

業種 内定辞退率の傾向
運輸・物流 約24.2%(高め)
IT・通信 約17.3%(やや高め)
メーカー 約12.0%(平均的)
金融・保険 約9.5%(低め)
公務員・団体 約5.0%(低い)

IT・通信業界は求人倍率が高く、候補者が複数のオファーを持ちやすいため、辞退率が高くなる傾向にあります。


内定辞退が起きる原因|新卒・中途別に分析

内定辞退を防ぐためには、まず「なぜ辞退されるのか」を正確に理解する必要があります。新卒と中途では辞退理由の構造が異なるため、それぞれ分けて分析します。

新卒採用で内定辞退が起きる5つの理由

1. 志望順位の高い企業から内定を得た

最も多い辞退理由がこれです。学生は平均2.64社から内定を得ており、最終的に第一志望の企業を選びます。つまり、自社が「滑り止め」や「練習台」として応募されていた可能性があります。

2. 企業イメージとのギャップを感じた

選考を通じて得た情報と、実際の企業文化や業務内容にギャップを感じるケースです。特に、面接官の態度や対応スピードが学生の印象を大きく左右します。

3. 希望条件との不一致

給与・勤務地・福利厚生などの条件面で折り合いがつかず辞退するパターンです。近年は「リモートワークの可否」が新たな条件として重視される傾向があります。

4. 内定後の放置・フォロー不足

内定を出した後に連絡が途絶えると、学生は「自分は大切にされていない」と感じて他社に流れます。内定から入社まで半年以上空く新卒採用では、この期間のフォローが決定的に重要です。

5. 周囲からの影響

親や友人、大学のキャリアセンターからのアドバイスで辞退を決意するケースも少なくありません。特に「親ブロック」と呼ばれる、親の意向による辞退は近年増加しています。

中途採用で内定辞退が起きる4つの理由

1. 提示条件と期待のミスマッチ

中途採用では、年収・役職・業務範囲などの条件が辞退の直接原因になります。面接時に曖昧な説明をしていると、オファー段階で「思っていたのと違う」と辞退されます。

2. 現職からのカウンターオファー

退職意思を伝えた際に、現職から引き留め条件(年収アップ・昇進など)を提示されるケースです。転職活動中の候補者は、内定承諾後でも心が揺れることがあります。

3. 面接官・会社の印象が悪かった

面接での対応が事務的だった、質問に対する回答が曖昧だった、面接官同士で話が矛盾していたなど、選考体験の質が低い場合に辞退リスクが高まります。

4. 入社までの期間が長すぎる

中途採用でも、内定から入社まで2〜3か月かかるケースがあります。この間に他社のオファーが出たり、転職意欲そのものが薄れたりして辞退につながります。


内定辞退を防ぐ方法【選考段階の施策】

内定辞退の防止は、内定を出してからでは遅い場合があります。選考段階から「この会社に入りたい」と思わせる候補者体験(Candidate
Experience)を設計することが重要です。

選考プロセスのスピードを上げる

候補者にとって、選考に時間がかかることは大きなストレスです。書類選考から最終面接までを2〜3週間以内に完結させることを目標にしましょう。

具体的な施策として、以下が有効です。

  • 書類選考の結果通知は48時間以内に行う
  • 面接日程の調整は候補者の都合を最優先する
  • 最終面接後の合否連絡は1週間以内が理想
  • 面接と面接の間隔を最小限にする(1週間以内)

選考スピードが速い企業は、候補者から「意思決定が早い=自分を求めてくれている」とポジティブに受け取られます。

面接を「見極め」から「惹きつけ」に変える

従来の面接は「候補者を見極める場」として設計されていましたが、売り手市場では「候補者を惹きつける場」としての機能が不可欠です。

惹きつけ面接の具体的なポイント

  • 面接冒頭で候補者の強みや経歴への関心を示す
  • 一方的な質問ではなく対話形式で進行する
  • 自社で働く具体的なイメージを伝える(プロジェクト事例、1日のスケジュールなど)
  • 面接官自身の入社理由やキャリアパスを語る
  • 面接後に手書きのお礼メールや評価フィードバックを送る

オファー面談を丁寧に設計する

内定通知は「おめでとうございます」のメール1通で終わらせてはいけません。オファー面談を設定し、以下の内容を丁寧に説明しましょう。

  • 具体的な配属先と業務内容
  • 給与・賞与・評価制度の詳細
  • キャリアパスの選択肢
  • 福利厚生・リモートワーク制度
  • 入社後のフォロー体制(メンター制度など)

オファー面談は、候補者が質問や不安を率直に話せる場として設計することが重要です。形式張った説明会ではなく、双方向の対話を重視してください。

候補者の志望度を定期的に確認する

選考が進む中で、候補者の志望度は変動します。各面接後に志望度のヒアリングを行い、志望度が下がっている場合は早めに対処しましょう。

面接後のヒアリング例:
「本日の面接を通じて、弊社への印象はいかがでしたか?」
「他社の選考状況を差し支えなければ教えていただけますか?」
「現時点で弊社に対してご不安な点はありますか?」

これらの質問で得た情報をもとに、次の面接や内定後のフォロー内容をカスタマイズすることで、辞退リスクを低減できます。

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内定辞退を防ぐ方法【内定後フォローの施策】

内定を出した後の期間こそ、辞退リスクが最も高まるタイミングです。特に新卒採用では内定から入社まで半年以上空くため、この期間のフォロー施策が合否を分けます。

内定者フォローの時期別施策一覧

内定後のフォローは、時期ごとに目的と施策を変える必要があります。

時期 目的 具体的な施策
内定直後(1週間以内) 承諾への後押し お祝いメッセージ、配属先上司からの歓迎連絡
内定後1か月 不安の解消 個別面談、質問対応窓口の設置
内定後2〜3か月 帰属意識の醸成 内定者懇親会、社員との交流イベント
内定後4〜5か月 スキル準備 入社前研修、課題図書の提供
入社直前(1か月前) 入社意欲の最終確認 配属先チームとの顔合わせ、入社日の詳細案内

定期的なコミュニケーションの設計

内定者との接触頻度は、辞退防止において最も重要な要素の一つです。目安として、月に最低2回の接触を維持しましょう。

コミュニケーションの手段は、メールだけでなくSNSやチャットツールも活用します。形式張った連絡ばかりでは逆効果になるため、カジュアルな情報共有も織り交ぜることがポイントです。

効果的なコミュニケーション例

  • 社内ニュースや新プロジェクトの共有
  • 内定者限定のオンラインコミュニティの運用
  • 配属予定チームのメンバー紹介
  • 入社後に関わる業務の「ちょい見せ」コンテンツ

社員交流の機会を作る

内定者にとって、「一緒に働く人」の存在は入社意欲を大きく左右します。以下のような交流イベントを企画しましょう。

先輩社員との座談会

入社2〜3年目の社員を中心に、フランクな雰囲気で質問できる場を設けます。「実際の1日のスケジュール」「入社前に不安だったこと」「入社して良かったこと」など、リアルな声を共有することで内定者の不安を解消します。

同期との懇親会

内定者同士の横のつながりを作ることで、「一緒に入社する仲間がいる」という安心感が生まれます。オンライン・オフラインを組み合わせて複数回実施するのが理想です。

経営層との交流会

経営ビジョンを直接聞ける機会は、内定者にとって特別な体験になります。「この会社の将来性」や「自分がどう貢献できるか」を実感できる場として設計しましょう。

入社前研修の設計

入社前研修は「内定者の不安解消」と「早期戦力化」の両方を目的として設計します。

  • ビジネススキル研修:ビジネスマナー、PCスキル、業界知識
  • 自社理解研修:企業理念、事業内容、組織構造
  • チームビルディング:グループワーク、プロジェクト型課題

注意点として、入社前研修はあくまで任意参加とし、過度な負担にならないよう配慮することが重要です。「研修が大変そう」という理由で辞退されては本末転倒です。


内定辞退を防ぐ方法【心理的アプローチ】

候補者の心理を理解し、適切にケアすることも辞退防止の重要な要素です。

「内定ブルー」への対処法

内定ブルーとは、内定承諾後に「本当にこの会社で良いのか」と不安になる心理状態です。新卒の約7割が何らかの形で内定ブルーを経験するとされています。

内定ブルーの主な原因

  • 他社への未練(「もっと良い会社があったのでは」)
  • 仕事への不安(「自分にできるのか」)
  • 環境変化への恐怖(「知らない場所で働くことへの不安」)
  • 情報不足(「実際の業務内容がイメージできない」)

対処のポイント

内定ブルーは「放置」が最大のリスクです。定期的な個別面談で不安を言語化させ、一つひとつ丁寧に対応することが効果的です。特に「この会社を選んだ理由」を内定者自身に再確認してもらうことで、自分の意思決定に自信を持たせることができます。

「親ブロック」への対策

近年増加している「親ブロック」とは、親の反対によって内定を辞退するケースです。特に中小企業やスタートアップで発生しやすく、「親が知らない会社だから不安」という理由が多くを占めます。

具体的な対策

  • 保護者向けの説明資料を作成する(会社概要、福利厚生、キャリアパスなど)
  • 内定通知と一緒に保護者宛の挨拶状を送付する
  • 必要に応じて保護者向け説明会を開催する
  • 会社のメディア掲載実績や受賞歴を積極的にアピールする

カウンターオファーへの備え(中途採用)

中途採用で特に注意が必要なのが、現職からのカウンターオファーです。候補者が退職意思を伝えた際に、現職から年収アップや昇進を提示されるケースは珍しくありません。

対策のポイント

  • 内定承諾前に「現職から引き留められた場合どうするか」を確認する
  • 転職理由が「年収」だけでない場合は、キャリアビジョンの実現性を重点的に訴求する
  • 内定承諾後も「本当に退職手続きが進んでいるか」をさりげなく確認する
  • 退職交渉のアドバイスを提供する(「円満退社の進め方」など)

内定辞退コストの算出フレームワーク【独自手法】

内定辞退を防ぐためには、辞退がもたらすコストを正確に把握し、経営層に対して「投資対効果」を説明できることが重要です。以下に、内定辞退コストを算出するための独自フレームワークを紹介します。

直接コスト

コスト項目 算出方法 目安金額
求人広告費 掲載費用 / 応募者数 x 辞退者数 5万〜30万円/人
人材紹介手数料 紹介手数料の全額(紹介経由の場合) 50万〜150万円/人
選考にかかった人件費 面接官の時給 x 面接時間 x 面接回数 3万〜10万円/人
適性検査費用 テスト単価 x 受験者数 0.3万〜1万円/人

間接コスト

コスト項目 内容 影響度
機会損失 採用できていれば生み出せた利益
再募集コスト 追加の求人広告・エージェント利用 中〜大
担当者の工数ロス 振り出しに戻る採用活動の時間
チーム士気への影響 「また辞退された」という現場のモチベーション低下 小〜中

算出例

中途採用でエンジニアを1名採用する場合の内定辞退コスト概算は以下のとおりです。

  • 人材紹介手数料:100万円
  • 面接官の人件費(3回面接 x 2名 x 1時間 x 5,000円):3万円
  • 適性検査費用:0.5万円
  • 再募集にかかる追加コスト:50万円
  • 合計:約153.5万円/人

このフレームワークを活用して自社の辞退コストを算出すれば、「内定者フォローに月5万円かけても、辞退を1件防げば150万円以上のコスト削減になる」という投資対効果を経営層に説明できます。


辞退リスクスコアリングの導入【独自手法】

内定辞退を効率的に防ぐためには、「辞退リスクが高い候補者」を早期に特定し、優先的にフォローすることが重要です。以下に、辞退リスクスコアリングの設計方法を紹介します。

スコアリング項目と配点

評価項目 高リスク(3点) 中リスク(2点) 低リスク(1点)
他社選考状況 3社以上並行 1〜2社並行 自社のみ
志望順位 第3志望以下 第2志望 第1志望
内定承諾までの期間 1週間以上 3〜7日 即日〜2日
面接での質問内容 条件面の質問が中心 バランス良い 業務・成長に関心
転職理由(中途) 年収のみ 年収+環境 キャリアビジョン
現職の引き留めリスク 高い(好待遇) 中程度 低い(退職済)

スコアに応じた対応方針

合計スコア リスク判定 対応方針
15〜18点 高リスク 週1回の個別フォロー、経営層との面談設定
10〜14点 中リスク 月2回のフォロー、社員交流イベントへの招待
6〜9点 低リスク 月1回のフォロー、定期的な情報共有

このスコアリングを導入することで、限られたリソースを辞退リスクの高い候補者に集中投下でき、効率的な辞退防止が可能になります。

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内定辞退が起きてしまった後の対処法

万全の対策を講じても、内定辞退をゼロにすることは現実的に困難です。辞退が起きた際の適切な対処も、採用力を高めるうえで欠かせません。

辞退理由のヒアリングを必ず実施する

辞退の連絡を受けた際は、感情的にならず、冷静に辞退理由をヒアリングしましょう。このデータが、今後の採用改善に直結します。

ヒアリングすべき項目

  • どの企業に決めたのか(社名が難しければ業界・規模でも可)
  • その企業を選んだ決め手は何か
  • 自社の選考プロセスで改善すべき点はあるか
  • 内定後のフォローに不満はなかったか

ヒアリングの結果は必ず記録し、四半期ごとに分析することで、辞退パターンの傾向を可視化できます。

辞退者との関係を良好に保つ

辞退した候補者は、将来の「再応募候補」や「リファラル紹介元」になり得ます。辞退時の対応が悪ければ、SNS等での悪評につながるリスクもあります。

  • 辞退を受け入れた上で、丁寧にお礼を伝える
  • 「またご縁がありましたら」とポジティブに締めくくる
  • 了承を得た上で、辞退者ネットワーク(アルムナイ)に登録する
  • 定期的に自社の情報を配信し、再接触のきっかけを作る

次点候補への迅速なアプローチ

辞退が発生した場合は、選考途中で惜しくも不合格にした候補者や、最終選考まで進んだ次点候補者に速やかにアプローチします。時間が経つほど他社への入社が確定してしまうため、辞退通知から48時間以内に連絡することが理想です。

採用プロセス全体の振り返り

辞退が複数件続く場合は、採用プロセス全体を見直す必要があります。

  • 求人票の内容は実態と一致しているか
  • 面接官のトレーニングは十分か
  • 選考スピードは競合他社と比較して遅くないか
  • オファー条件は市場水準に見合っているか
  • 内定後フォローの質と頻度は適切か

内定辞退防止の成功事例

事例1:IT企業A社(従業員300名)の取り組み

課題:新卒内定辞退率が50%を超え、採用計画の半数しか確保できない状態が続いていた。

施策: –
選考プロセスを5回から3回に短縮(平均所要期間を6週間から3週間に圧縮) –
最終面接後に「1dayジョブ体験」を導入し、実際の業務を体験してもらう仕組みを構築
– 内定者専用のSlackチャンネルを開設し、社員との日常的な交流を促進 –
月1回のオンラインランチ会を開催

結果:内定辞退率が50%から28%に改善。特に「1dayジョブ体験」を経験した候補者の辞退率は15%にとどまった。

事例2:製造業B社(従業員1,000名)の取り組み

課題:中途採用のエンジニアが内定承諾後に辞退するケースが年間8件発生し、再募集コストが年間1,200万円に達していた。

施策: –
辞退リスクスコアリングを導入し、高リスク候補者への個別フォローを強化 –
オファー面談を採用担当者と配属先マネージャーの2名体制に変更 –
内定承諾から入社までの期間中、月1回のカジュアル面談を実施 –
現職への退職交渉に関するアドバイスシートを作成・提供

結果:内定承諾後の辞退が年間8件から2件に減少。再募集コストを年間900万円削減。


内定辞退を防ぐためのツール・テクノロジー活用

近年は、テクノロジーを活用した内定辞退防止の取り組みも広がっています。

内定者管理ツール(CRM)の導入

内定者との接点履歴を一元管理できるCRM(Candidate Relationship
Management)ツールを導入することで、フォロー漏れを防止できます。主な機能として、コミュニケーション履歴の管理、定期連絡のリマインド、内定者の反応データの分析などがあります。

エンゲージメント測定ツールの活用

パルスサーベイ(簡易的なアンケート調査)を定期的に実施し、内定者のエンゲージメント状態をリアルタイムで把握する企業が増えています。月1回程度の短いアンケート(5問程度)で、入社意欲の変化や不安の兆候を早期にキャッチできます。

スコアが低下した内定者には即座に個別フォローを実施することで、辞退を未然に防げます。

AIを活用した辞退予測

近年は、候補者の行動データをAIで分析し、辞退リスクを予測するサービスも登場しています。メールの開封率、返信速度、面接後のアンケート回答傾向などを複合的に分析し、「この候補者は辞退する可能性が高い」というアラートを自動で出す仕組みです。

たとえば、内定承諾後に送ったフォローメールを3通連続で未開封の候補者がいたとします。忙しいだけかもしれませんが、データ上は「辞退予備軍」に該当するケースが多いとされています。こうした兆候を人事担当者の勘だけに頼るのではなく、テクノロジーで補完することで、限られたリソースを効率的に配分できるようになります。

ただし、AIはあくまで補助ツールです。最終的には人事担当者が候補者と向き合い、一人ひとりの不安や疑問に丁寧に対応することが辞退防止の本質であることは変わりません。

動画コンテンツの活用

社員インタビューや職場紹介の動画を内定者に定期配信することで、テキストでは伝えきれない「社風」や「働く人の雰囲気」を伝えることができます。動画の視聴率を追跡し、視聴していない内定者への追加フォローにつなげる活用法も効果的です。

SNS・チャットツールの活用

LINEやSlackなどのチャットツールを使った内定者グループの運営は、カジュアルなコミュニケーションの場として有効です。ただし、業務連絡ばかりにならないよう、雑談やイベント告知など、気軽に参加できるコンテンツを意識的に発信することがポイントです。


よくある質問(FAQ)

Q1.
内定辞退率を下げるために最も効果的な施策は何ですか?

最も効果的なのは「選考段階からの惹きつけ」と「内定後の継続的なコミュニケーション」の組み合わせです。単発の施策ではなく、候補者との接点すべてを一貫した体験として設計することが重要です。特に、内定後は月に最低2回の接触を維持し、候補者の不安に即座に対応できる体制を整えましょう。

Q2.
内定承諾後に辞退された場合、法的に引き留めることはできますか?

内定承諾後であっても、候補者は入社日の2週間前までは辞退(労働契約の解約)が可能です。法的に辞退を阻止することはできないため、承諾後も気を抜かず、フォローを継続することが重要です。なお、内定取り消しは企業側からの一方的な解雇に該当するため、正当な理由がなければ認められません。

Q3.
中途採用で現職からのカウンターオファーにはどう対処すべきですか?

まず、転職理由が「年収」だけでないことを選考段階で確認しておくことが大切です。キャリアビジョンの実現性や成長環境など、現職では得られない価値を訴求しましょう。内定承諾前に「現職から引き留められた場合の対応」を候補者と話し合っておくことも有効です。

Q4.
内定者フォローの適切な頻度はどれくらいですか?

月に2〜3回が目安です。ただし、一方的な情報提供ではなく、候補者からの反応が得られる双方向のコミュニケーションを意識してください。メール・電話・SNS・対面を組み合わせ、候補者の好むコミュニケーション手段に合わせることが重要です。

Q5.
新卒の「親ブロック」にはどう対処すればよいですか?

保護者向けの説明資料を作成し、内定通知と一緒に郵送することが効果的です。会社概要だけでなく、福利厚生・研修制度・キャリアパスなど、保護者が安心できる情報を盛り込みましょう。必要に応じて保護者向けの説明会を開催する企業も増えています。

Q6.
内定辞退を防ぐためにかけるべき予算の目安はありますか?

内定辞退1件あたりのコスト(新卒で50万〜100万円、中途で100万〜200万円)を基準に、防止策への投資額を決定するのが合理的です。例えば、内定者フォローに月5万円かけても、辞退を1件防げれば投資対効果は十分です。まずは本記事で紹介した「辞退コスト算出フレームワーク」で自社の辞退コストを把握することから始めてください。

Q7.
小規模企業でもできる辞退防止策はありますか?

小規模企業だからこそできる施策があります。例えば、社長や役員が直接候補者に電話をかける、配属先のチーム全員で歓迎メッセージ動画を作成する、入社前からチームのランチに招待するなど、「距離の近さ」を武器にしたフォローは大企業にはできない強みです。採用代行サービスを活用して、限られたリソースを補うことも一つの方法です。


まとめ

本記事のポイントを整理します。

  • 2026年卒の内定辞退率は65.7%、中途採用でも約11%が辞退している
  • 辞退の主な原因は「志望度不足」「条件不一致」「他社競合」の3つに集約される
  • 内定辞退の防止は選考段階から始める必要がある(選考スピード・惹きつけ面接・オファー面談)
  • 内定後フォローは時期別の施策設計が重要(懇親会・社員交流・入社前研修)
  • 「内定ブルー」「親ブロック」「カウンターオファー」など心理的要因への対処も不可欠
  • 辞退コスト算出フレームワークで投資対効果を可視化する
  • 辞退リスクスコアリングで優先フォロー対象を特定する
  • 辞退が起きた場合も、ヒアリングと関係維持で次の採用に活かす

内定辞退を完全にゼロにすることは困難ですが、本記事で紹介した施策を体系的に実施すれば、辞退率を大幅に改善することは可能です。まずは自社の辞退率と辞退コストを把握し、優先度の高い施策から取り組んでいきましょう。

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本記事の情報は2026年3月時点のものです。最新の採用市場データ・統計情報は各調査機関の公式サイトをご確認ください。

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